朝の雲の城/石川和広
 
城に迷う
古城
朝から

指が動きにくい

触っている感じが薄い朝
遠い朝

朝の雲の城
飛竜、城を囲む朝
巻かれてタバコの煙
指がすきとおり、幻想界から
想像階へ、ふるえながら

親とは、話したけど、朝
昨日だったけど、今感じられる

城の中で燃え落ちるか、せんりつ
私のいのち、親のイノチ染み
燃えてもいいなんて
生きるの怖いなんて
結ってみる
おんなに
揺ってみる
言葉は音叉
宴さ
泣くさ


城、無視の城
朝焼けの城
カラスが集る死の城
黒く燃える、青空



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