実に短絡的な話 '160305/世江
短くして。
そのはずなのに、苦しい。
足取り重く、横の壁につかまりながら。
乱れてぐちゃぐちゃ
なのに ひとつも満たされない。
どこまでも飲まれて。 食べられる。
悲しみにつぶされて 濡れた瞳を私に向けないで。
押し広げられた心がキミを求めて
抜け出せなくなるから。
あの時を思い出して吐き出せるくらいなら
叫びつづけることもしなくて済んだのに。
凍りついた空気から逃げるように、
私はあなたを捨てた。
不安と言いきれるような確信したものはなくて、
それでも、違う と言うこともできやしなかった。
今にも雨が降りだしそうな、そんな空に舌打ちをして。
歩きつづ
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