冬風人/
ただのみきや
いっそこの身と人の暮らしを脱ぎ捨て
共に往けたら楽しかろう
だが仕事に往かねばならぬ
息子が独り立ちするまでは
今の暮らしは変えられない
巡り巡る季節の旅人よ
歌い踊る冬のジプシーたち
何度でも再会し
何度でも別れ
追い越されて 遠く離れ
いつかまた 誘惑されて――
風が突っ走って往く
追い越して往った風たちが
ほら また
《冬風人:2016年3月2日》
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