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草野春心
割れた瓶から
歌が こぼれた
はてしない青をうつし
暗闇をふたつに切り裂く
ひとつの歌が今こぼれた
まだ名前はついていない
言葉さえ、まだ追いつけない
うつくしい浜辺の空の下、
少しも泣いていないあなたへ
少しも笑っていないあなたへ
足もとを緩く 流れていく
今を生きることの あたたかさのような歌
誰よりも傷つきやすい 誰よりもいとしいあなたへ
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