赤い砂浜/あおい満月
 
ここは砂浜で、
砂は血のように赤い。
あたながまた若い、
ながい髪を揺らして私に手を、
振っている。
私を呼ぶあなたの声の棲みかが、
大きくなって、
洞窟になって私を待つ。
洞窟のなかから泣き声がする。
あかんぼうになった聞きなれた声。

気がつくと、
硝子は閉じられていた。
肩を叩かれて振り返ると、
血まみれの少女が、
大きな刃物を私に向けている。
少女は私だ。

私は知っている。
あの赤い砂浜は、
私の体内だと。

ごらん。
下腹部か熱く赤く、
膨れ上がっている。



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