かぐや姫とベンジャミン/ベンジャミン
 
しまったから、、、と、かぐや姫はかすれた声で呟いた。だったらなおさら一緒に行こうじゃないか!って僕がくいさがると、それでは引力が増すだけです、なんてさ・・・
悲しすぎるじゃないか。

かぐや姫は一人で帰ってしまった。
僕はあいかわらずの僕で、誰に好かれるわけでも、必要とされているわけでもない。
でも、知っていて欲しい。月が地球に落ちないのは、きっと僕のおかげなんだ。
月が近づけばいいと願い続ける僕に、月はけして落ちてこないから。
もしかしたら、それがかぐや姫の務めだったのかもしれないね・・・



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