平成貧乏詩礼賛/りゅうのあくび
 
どうしてか愉しくて
とても切ない
詩作に貧乏文学を
探し出すことは
決してけちな節約ではなくて
倹約のようにも思える
少しだけ美談が得意なことも
失敗談がずいぶん苦手なことも
干乾びた冬みたいでも生える草のよう
どうやって貧乏に
生きるかってことには

本当に言葉に
価値なんてあるのかと思いながら
言語なんて
誰のものでも
ないでしょうになんて
気取っても
喝采の渦なんて結果論でもなくて
自由主義を掲げる自費出版は
値千金の大黒字なんて
季節はずれの雲の向こうにひた隠す
気苦労しながら
広告費も制作費も
どんぶり勘定する始末で
出血大サービス

[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(3)