積み木/ミツバチ
積み木を積み直す君
何度も繰り返す細い指先
終わりの無い道は
一周回って元にたどり着く
風のざわめきはいつも一定で
葉を散らす木々は何も言わず
鳥たちは最後の実りを
精一杯啄んでいる
何度目かの積み木を積む君が
ふと陽射しに目を細め
瞳に入り込んだ星を
体の中に留めて
視線だけがゆらゆらと
景色にさ迷うと
指先はとうに冷えて
君は影だけになり
幻が終わるように
部屋は暗くなっていく
積み木だけが
君の面影だけを描いて
寂しく影を伸ばしている
夢から覚めた私は
空を流れる雲を
ただ追っているだけ
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