ゴミ袋と手首/wakaba
寒い朝、可燃ゴミの日だったので、袋をまとめてゴミ出しに行った。
ゴミ置き場にはたくさんのゴミ袋が山のように積み上がっていて、
そばではカラスが一匹、首を傾げながら袋の中身をじっと見つめていた。
僕は持っていたゴミ袋を、ゴミの山のてっぺんに向かって放り投げた。
くしゃん と音を立てて、転がり落ちる僕のゴミ袋。
その瞬間、テレッテレーという効果音がどこからともなく鳴り響き、
ゴミ袋の山の隙間から白い手首がニュッと出てきた。
青白い手首だった。
ためらい傷の跡が無数についている手首だった。
手首はクルッと回転して手のひらをこちらへ向けた。
「ここで問題です。女の人
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