少しずつ余計に解き放たれる (逃げ惑うリミット)/ホロウ・シカエルボク
欺瞞にまみれた利き腕を手首から切り落として、尺骨に鉛筆をぶっ刺して再びの羅列を深く刻め、小鉢を並べて澄まして見せるような小賢しい真似はこの俺にゃ不要だ、真実はいつでも殴り飛ばした心臓に出来た痣の形状の中に書いてある、やい、面の皮歯で剥いてやろうか、お前の頭蓋骨は流れの悪い血液のせいでどす黒いだろう、枯れた蔓のようにそいつに張り付いた神経組織を、干した糸瓜を毟るみたいに剥ぎ取ってやろうか、晒す覚悟のないやつに俺がしてやれるのはそんなことぐらいだ
お生憎のことこの週末は陰気な雨が降りやまぬ模様、薄壁の向こうの連中は今日も俺がやってることにこっそりと聞き耳を立てて…ハン
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