ファントムペイン/
ただのみきや
ない深い場所で
柔らかく
艶やかに
息づくものがある
やがて叩く音が大きくなるにつれて
心は震え出す
扉を開けずにはいられないほどに
――不意に痛みが訪れる
顔のないファントムペイン
それは見えない約束の指輪
過去を受け入れて
未来を生むために
鈍い重りを抱いて生きる
風に飛ばされないように
《ファントムペイン:2016年2月19日》
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