Miz 16/深水遊脚
 
いとふんぞり返っているより、全力の演出を台無しにして白けさせるものを一つ一つ排除した方が、奴等は力を引き出せるだろう。そもそも何事もなければ俺らは何もしないしな。」

幸政さんの速さで歩いたので、すぐにトレーニングルームに着いた。晴久さんはもう来ていた。ポールに、掴む手だけを触れた状態で上りながら、いろいろあり得ないポーズをとっていた。

「話は母から聞きました。打ち合わせですね。」
「ああ。この場所からは移動しよう。」

トレーニングルームに俺が残した三津と島崎と度会、そして青山がいた。気をつけの姿勢で幸政さんをみていた。幸政さんが苦笑してなだめた。訓練を放って外に出た罪悪感で、三
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