Miz 16/深水遊脚
スと交信していたころの全能感の名残も、感じ取った。切磋琢磨は大いにやるべきだし、全力で向かい合うべきなのもその通り。しかし。
「いまは交信できないはずのレグラスの意志を体のよい物語に仕立てて、政志と柏木の力のコントロールを放棄して不確実な状況に甘んじる、それを無責任とは言わないか?俺はあのときもそう言ったぞ。」
幸政さんの声がした。突然声がしたことよりも、俺のモヤモヤした心をスパッと言い当てたことに驚いた。
「間城を借りるぞ。広夏、晴久はどこだ?」
「高宮くんと転送装置のことで打ち合わせていたけれど、もう終わっているはず。トレーニングルームじゃないかしら。」
予期していた
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