断片/
葉leaf
木が泣いている
闇そのものとなって
迷い果てて尽きている
何かが内部で生まれては死んでいる
その呼吸の音ばかり際立って
囲んでくる無数の球体には
どろどろした風景が墨で描かれている
叫び声は声帯を震わせる前に滅ぼされた
鮮やかな混沌、奇臭がする
背骨しかない街に生まれて
血と肉を味わうこともなく
ただ苦役として食する巨体が
散り散りになって刃となった
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