空/乾 加津也
 
命を忘れて生きていたら
空に向かって詩を書きなさいという
いつか
あなたと見上げた空がやってきました

みな異なる
あれほどたくさんの雲をノートにして
やっと伸ばした指先が
余計に小さく
恥ずかしく
あれはむかし落とした雨粒かしらと




分相応の自分の居場所
それがここじゃないかと
あなたに笑って
肩を叩いてほしいのです

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