パチン/藤鈴呼
祈るべき存在は何かと考えた
泡の向こう岸に見えるは微かな光
夜になって 暗くなるのは 当たり前
昼に月が恋しくなるのと おんなじ法則
だから お前は 何にも気に病む必要など
無いのだ と 呟いた泡が パチンと 鳴る
鳴り響くベルの音に 急き立てられるように
ゆっくりと目覚めれば 辺りは闇を忘れて
まるで今しがたまで 泳いでいたかの様
錯覚の雲が 猛スピードで流れて行く
どんな模様をしていたかは 忘れた
月明かりだけが 見知った事実を
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