泡の ハミング/藤鈴呼
深海の奥
出来る限り
傷の付かぬ
角度を探す
ゆっくりと
綱渡りの曲芸よろしく
観客も
居ないと言うのに
アテになるのはイキばかり
イキなイキカタ デキナイが
アキラメルには ハヤスギル
胸の鼓動は 痛すぎて
酸素ボンベが 欲しくなる
未だ・・・
あと少し・・・
イケル筈だ
イケテル ワタシなら
きゅっと締めた唇で
もう 何も 呟かない
愚痴など
もう 二度と
そうこうしている内に
腕の先で イルカがまわる
余韻を 愉しむかのように
集うのは
泡の ハミング
ねえ あの 太陽の光が
もう少し 見える角度まで
ちょっと 苦しいけれど
頬を 捻って 眺めてみて?
あの 夕焼けにも 負けぬくらいの
オレンジと 紫と 桃色がかった空が
きっと 近くに 見えるから
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