mourm/opus
赤、
そして暗闇へ
色を変える
眈々とキーボードの音は鳴り続け
コーヒーが消費されていく
ただひたすらに
その時が重ねられていく
〈身体を持ち上げ
浮かび上がる
雲間を裂くように
すごい勢いで空に突入する〉
注射器に液を吸い込み
軽く叩いて空気を針側に溜める
液を少量吐き出し空気を除く
肘と手首の真ん中当たりを
エタノールで湿った綿で撫でる
青く太い血管が浮かぶ
その静脈に針を刺し
血液を少し注射器に入れる
血液が液の中にふわっと拡散する
それを打ち込む
〈空から雷鳴の轟が響く
空全体がチカチカと点灯する
雨風がその勢いを上げる
木々が地
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)