mourm/opus
〈一匹の龍が
その顔をあげ
ゴロゴロと喉を鳴らし
深く重たい雲間の一点に
目を凝らす〉
深い暗闇の中
淡く灯る光の下で
1人のバレリーナが踊る
タンタンと
音を立てながら
体をしならせ
骨と筋肉と脳を
滾らせる
切れ長の目
黒々とした瞳
漏れる息
白い肌に
青い血管が浮かぶ
〈物々しく巨大な鱗に
鋭い雨粒が打ち付けられる
巨大な牙を見せながら
重く深い声をいななく〉
ふわふわと浮かぶ湯気が
マグカップから漂う
カチャカチャとキーボードが鳴る
黒い眼鏡をかけ
薄っすらと髭を生やしている
時々、鼻をこすり
欠伸をする
窓が白から赤、
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