わたしの粒々/そらの珊瑚
わたしは
粒で出来ている
粒は
かなしみも
ぜつぼうも
知らないまま
ただ
あたえられた時間を
あたえられるままに
はずんでいた
ときおり粒は
とどこおる
たとえば寒い夜なんかには
はずんでゆかない
人生とか
考えてもしようのないものに
つまづいているわけじゃないけれど
立ち止まり
ふるえているだけかもしれない
ひと粒のふるえは
ふた粒、みっつへと伝わってゆく
そうやって
ふるえ合うことにより
発熱しているそんな仕組みだ
それを
明日があるなら
明日へはずむための助走だと
置き換えてみてもいい
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