詩/葉leaf
いま、確かにたくさん詩が降ってきた
それこそ豪雨のように
詩は辺り一面を打ちのめすと静かに蒸発し
跡形もなく消え去り
私はそれをただ茫然と見守った
だが確かに、今夥しい数の詩が降ってきたのだ
詩は意味ではなかったし音でもなかった
神秘でもなかったし構造でもなかった
ただ雨のような物質
それが詩であり
誰が書いたわけでもなく
誰が読むわけでもなく
誰が感動するわけでもない
詩は言葉ではなく一つの事件だった
いま、確かに詩がたくさん降ってきたのだ
そして驚愕だけが
残された私を静かにおののかせている
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