2016SS/たちばな まこと
日常になった生活を噛み締めることが私には
祝祭だから
心はいつも思う季節を舞うことができる
あなたの今日に心地よい春や夏をあなたが
手のひらで左から右へ空(くう)をなぞるだけで
もたらすことができる
待ちきれず
その胸に左右の指先を刺し、切り開くビジョンがあるとして
かなしい言葉が吹きすさぶその中へ
凍える原野で仕事をはじめる
春や夏の色を織り、ラフを描き、立体に裁ち、仕立てる
一筆、一針
それから瞬きをする
拍手の海が拡がる
ランウェイに
機嫌の良い幼子の笑い方を真似、おどけ、可笑しなダンスを
見せるあなたがいる
色は光に生かされていること
心は生が動かすこと
受け入れて欲しい
科白はもたらすことができる
夏の海だ
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