ぬくもり/
ただのみきや
いことが悲しいのか
悲しいことが楽しいのか
二月 晴れても寒い
耳や頬が奪われて
虚空と曖昧になってくる
正気でしかいられない
燃え尽きかけた石炭が
ひとつ 転がっている
あの体温
弾ける笑い声の音楽
じっとしていられない
あの沸き上る
驚くほどの
腕の中から飛び出して――
そうして
あっという間
すーすー
甘い寝息
《ぬくもり:2016年2月3日》
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