ぬくもり/ただのみきや
 
公園の雪やまを
手作りのコメ袋そりですべる
子どもたち 
一年生か 幼稚園か
寒いも楽しい
声がひびく
日差しにきらめいて
晴れ間の青にとけてゆく


眺める距離は時間
心は容易に踏み越える
通いなれた路のように
記憶に段差はなく


干からびかけた
真っ二つの
転がっているこいつを
布でくるんで
きつく しぼる
まだ それでも まだ
終わっていない
滴るものがあって


時折 幼子を連れて
一緒に遊ぶことを想う
手を繋いだり肩車して
散歩したり
そりすべりしたり
膝に乗せて
絵本を読んだり――


想うことは楽しい
楽しいこ
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