kさんのこと/まーつん
を感じたときは幸せな気分になれる。自分の幸せを異性との関係でなく、趣味や仕事に見いだせたらと思っている。人に弱みを見せたくないからだ。誰かに好かれたり嫌われたりすることに一喜一憂したくはない。だけど、なかなかそこまで強くなれない。どんなに音楽に没頭しても人恋しさが頭にちらつき、虚しさしか感じない時もある。
Kさんは既婚者で、僕としてはただ思い焦がれるだけで、どうしようもない。彼女が休憩時間にいつも僕の隣に座ってくれるという、それだけのことに喜んでいる青臭い自分がいる。この職場は重い荷物や大型車を扱う関係上、体育会系の男たちが多い。いつも時間に追われ、荒っぽい言葉が飛び交うこともある。小柄で
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