さくら/
茶殻
女はへそから指ひとつぶん離れた場所に
桜の花びらをひとつ彫った
フットボール・クラブのエンブレムに添える星みたいに
それは過去の栄光のように思えた
娘、いるの?
これ?違うよ、大した意味なんてないの。
僕は嘘の中に住んでいる
たとえば金や文化の類
息を吹きかけると飛んでいきそうだと思わなかったのは
それが目に見えて歪んでしまっていたから
きっともう死んでしまったのだ
死んでしまったものから
僕は栄養を摂取しているのだ
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