トラブル/葉leaf
 

人の複雑さをどこまでも単純に切り出していくことができる
トラブルのおもて面の複雑さは
人の複雑さに他ならないのだ

人は己を切開するために
己を完膚なきまでに切り刻むために
トラブルという真空の道具を必要とする
社会とは畢竟個人を映す鏡でしかなく
社会自体に実体などはなく
世界には個人の内面だけがある
個人の内面が繁茂していくために
媒介となる無意味な装置
それが「社会」「公共」と呼ばれているのだ

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