君からのおくりもの/
幸絵
長い時間をかけて
黒く塗りたくった羽根を
君は
僕の背中から
剥ぎとったんだ
僕が
自分の足で
一歩ずつ
前に進めるように
自分の手で
一枚ずつ
扉を開けるように
あたたかくなった胸に
この手を
あてられるように
君はあの時
僕から奪ったんじゃなくて
自分を守ることに
精一杯で
いろんなことを忘れていた僕に
忘れちゃいけないことを
与えてくれていたんだね
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