鬼の豆ください/あおば
160128
鬼の豆は大豆である
ダイズを焙烙で炒って
少し焦げ目が出来たかなと
感じた頃合いに火から下ろす
こりこりしてとても美味しい
鬼に食わすなんてもったいないよと
豆まきの前にこっそり自分の分を取り分ける
鬼は外 福は内のかけ声の下に豆は転がる
もったいないから外には少ししか撒かない
鬼には入りやすい家だなと
思いながらも
入ってもあまり良いことは無さそうだ
隣家の方が金持ちのようだ
盛大に鬼は外のかけ声に鬼たちはみんな集まってきて
美味しい豆を痛そうな顔をして捕り集め一口で飲み込んでいる
彼らは贅沢に慣れているのだ
福は内の
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