(no) silence/opus
ぐらぐらと揺れる
フワフワと漂う
目の端でちらつく
「片目を覆って」
ブロンドの白人の男の子
眼は真鍮色
白い体操着の上下とソックス
「穴の空いているのはどっち?」
小さな口が開いて
答えを言う
瑞々しい肌
小さい爪
「コレは?」
自分の声が煩わしい
それさえなければ
こんなにも完璧な空間は無いのに
と、ふと思う
羽毛が舞い散り
その内の1枚が
頬に触れる
ビーグル犬が
ベッドの上で
頭を垂れて
こちらを伺う
「もう何で?」
と妻は言うけど
この景色は
きっと一生語り継がれるのだろう
太陽の光が
川の水面に
キラキラと反射する
木の上から
浅黒い少年たちが
そこに飛び込む
飛沫が少女の右目に入る
ゴシゴシと擦ると
目が真っ赤に充血する
タラと
自然に涙が落ちる
心臓が脈打つ
血が流れる
空気が入れ換わる
鳥が飛んでいる
コンクリートの香りがする
木々がさざめく
静かに揺れる
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