肉脈の惑星/ただのみきや
く酸っぱいリンゴが落ちる
すでに虫食いだった
違うと言う
知らないから違うと
樹が悪いと言う
だが樹はおまえの種にすでに書き込んだ
《ひとつの肉の連なり 同一の本質》
ひとつの灯のようにおまえの顔
ゆがみ 煙る やがて――
おびただしい死体と死霊と見分けのつかない
ぬるい人海の培養液で捻じれながら果てしなく
分裂して
考えない
美しい脳の結実を
祝う
軽快な祝砲と万国旗
小さくなったニムロデがへその緒を引きずって
リンゴよりリンゴを喰らう虫が大きくなった
地球よ
いつまでも飢えて鈍いまま
わが子を喰らう子宮を崇めて
《肉脈の惑星:2016年1月27日》
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