肉脈の惑星/ただのみきや
 
希望を乗せて放り上げられた球は
回転しながら
高く 上がり
ゆっ くりと
静・止 
  落・下  す    る


引力に負けてあえなく
抱かれてしまう
理想・思想・夢想
小さな地球は
大きな地球に
力の限り衝突する が
はなから一つとでも言いたげに
ささやかに周囲を揺らすだけ
天変地異は起こらず
嵐のような革命もない


父の太い猟師の腕が
母の無数の乳房の滴りが
窒息させる
取り込まれ
吸収される
一体の彫刻のように
切れ目のない
見開かれたオニキス
大理石の頬
シヌアルの霊の陰影が添えられる


あまりにも無垢で無鉄砲
甘く酸
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