不眠の内訳/ホロウ・シカエルボク
猥雑な今日が
冬に凍りつき
床に転がされている
意味など
求めなくなった
そのほかの
どんなものにも
そんな気づきが
人を
どこかへ連れて行ってくれるなんて
寝言も
いいとこだ
午前零時は
死体の心情を染み込ませる
ゆっくりと横になると
寝床からは
解剖室のにおいがする
(待っているのか?切り込まれ、取り外され、引きずり出され、まさぐられた挙句、昨日の新聞のように捨てられるのを)
いつかその刃先が
この皮膚を突き破る気がして
乾いた唇を舐めた
生は
そのときの唾液の味くらいだった
浴室で思い出した歌が
眠りに落ちる直前まで頭の
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