鍋/アラガイs
夕焼けがにじむ
夜になれば身体の芯まで冷えてくる
焼酎の湯を沸かし買ってきたアルミの鍋に火をかける
このところ一人用の鍋ばかりつついている
アルミは潰せるので簡単だがプラスチックやトレーはそうはいかない
一枚のゴミ袋はすぐにいっぱいになる
早朝のゴミ出しは苦手だ
できるだけ匂いを消して深夜にこっそりと出す
これは気が引けるもので
前方から車が勢いよく近づいて来たりすれば、わざとらしくライトを照らしてみたりする
こんな寒い夜の午前0時過ぎに夜をうろつく者はいないのだ
窓を少し開ければ外の冷気は容赦なく台所の温度を下げる
沸騰してきたら粉末のかつをだしと水を足し味
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