じょーじのーすげーと/もり
ひいじいちゃんが天国でため息をついた
テレパシー、そうかテレパシー
おれは自らの詩に なけ!
とテレパシーを送った
なけ!なけよ!仔猫のように!
記者会見中の芸能人みたく!ほら!
なのにおれの詩は変わらずまのぬけた
表情でヨダレを垂らすばかり
ばか・・ 女は行ってしまった
場所がわるかったか、と
別日に出直そうと思った
午前五時
客に飲まされたキャバクラのボーイが
千鳥足でおれの詩を手に取った
そして、
鼻を
かんだ
だと・・
呆然とするおれ自身とは対照的に
詩はまさかの行動をとった
噛んだのだ
ボーイの下唇の端のあたりを
グワアァァ!
ボーイは叫びながら交番へ駆け込む
詩は風に吹かれて
路上へと投げ出される
ひらひらひら
どさっ
おれは 免許証の写真だけは見せたくない
見せたくない見せたくない
と
呪文のようにくり返していた。
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