宇宙の缶詰/あおば
 
           160126

キタキツネの缶詰ならいくらでもあるよ!
私は声を張り上げる
新鮮でぴちぴちした若い雌の肉だよ
いつか来た道を馬車で運ぶ
淑やかな女性の胸にも
キタキツネの空き缶から作られた
星形ブローチが胸元に着いている
軽やかな蹄の音に君は宇宙を感じ
馬の手綱を緩めて大空を眺める
見えない星がきらりと光り
キタキツネの缶詰にも降り注ぎ
彼女のブローチは妖しく輝き
御者の君を誘惑している
知らん顔して馬は走る
君は何かを感じて空を仰ぐ
空は快晴、何の心配も無いようだ
2頭立ての馬車は走るのを止めない
君は誘惑にどうしても我慢できない

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