青いセーター/opus
 
中には
アンナの写真もあって
この写真は何だ
と言うから、
アンナの最後だよと
「君も、アンナの親も知らない
僕だけしか知らない
アンナの最後」

その時、
アンナの元恋人の拳が
僕の鼻を撃った
痛いけど、
アンナもこんな痛かったのかなぁ
と思ったら、何か笑えた
青いセーターに血が垂れて
染み込んでいくと
何だかアンナとひとつになったみたい

顔をあげて
こう言った
「どうして、
アンナはこのセーターを
僕にくれたと思う?」

アンナの顔の一部を
ひとつずつ潰していった
その様子を僕は撮った
顔の一部を潰すたびに
性器は湿りを増した

「ねぇ、綺麗に撮れてる?」
「撮れてるよ」
「ありがとう、愛してるわ」

そう、わかってたんだ
アンナが
自分のことしか愛せないなんて事は



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