魂の営み/たけし
ピークだ!
見上げれば
樹木生い茂る急傾斜の山道の先 雪を被った一際高い平らな山影
鉛と化した両脚 スッと軽くなり
速足半ば駆け足 息切らし到着
してみれば またしても山腹の丘 泰然と平らに広がり
次なる細い山道が繋がり上部山腹へと巻き付く
もう何時間登り続けたのか分からない
ただ日だけが次第に陰っていく
〈ひょっとして俺が目撃したあの頂上はマボロシだったのか〉
思わずリュックを投げ出し
雪の上に仰向けになり
もはや降ることも昇る気力も湧かず
背負った60キロの荷の重さに全身の筋肉が痙攣し続ける
しばらく呆然と休み
空身でフワフワとさ迷うち
平ら
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