Miz 13/深水遊脚
るものだけついて来い、とやっているだけなのがよくわかるわ。幸政、あんたも含めてよ。」
勝ち誇ったような顔を春江はどうにか隠していたが、見慣れた口元がみえた。実際、痛いところを突かれたと思う。身体の訓練を重視する俺の考え方は精神論に結び付きやすい。精神論は個人差を無視して、思考力を奪う。俺が避けなければならないと考える、封じる力を発動する装置になってしまう。上を甘やかし、下を腐らせる、誰の得にもならない暴力装置に。春江が俺を動かしてしたかったことは、そんな暴力装置になりつつある訓練の現場の軌道修正だった。これまでの慣習からの変革を俺の求心力に影響させることなく実現することだった。 いまある設備
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