Miz 13/深水遊脚
ここまで合理的なものを意地で拒むのは愚かだ。データを手にしながら須田の状態や心理に思いが至らなかった点は認めざるを得ない。そこを省みなければ訓練生や戦士との信頼関係はできないだろう。真実は俺が所有しているわけではなく、築き上げて行こうとする関係のなかにあるのだ。
訓練を統括する亀山広夏を無視するわけにはいかない。須田、青山、橋本に伝えなければならないことを念頭において広夏と話し合いの場を設けた。広夏も春江と同じように、須田の無理に気づいていた。漠然とではあるが自主トレ疲れという理由も察していた。ただ把握した状態について、春江ほどには確信はなく、どのように伝えるかについても、うまい方法が思い
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(1)