何故、僕が不幸になるの?/独奏
 
、あいつだけに立てる中指
僕だけが落ちてくる奈落に
早く楽になりたいと思ってもどこへ行こう
分からないまま年を越していく
陽の光が醜いぐらい輝いて僕を起こす
あけおめとLINEが入っている
貴方からもLINEがある
幸せの言葉と別れの挨拶だった
僕は既読をして返事を書かなかった
暗闇が僕を連れて行く
あいつでは無く僕を連れて行く
落ち着いた暗闇での生活
実際何日いたか分からない
泣き疲れた目は赤く染まり
辺りを真っ赤に映し出す
フラフラと歩いていると少女に出会う
傍らで泣いている少女に手を差し出した
少女は手を掴み微笑んだ
その顔を見たかったんだ
貴方からは見れなかったんだ

いずれ訪れる死という世界
人は最後に平等を与えられた
それに向かいながらドラマを描く
結末はどれも棺桶の中だが
それぞれに素晴らしい色を塗っている
あの青空が今日も明日も
100年後も続いていれば僕は嬉しい
そう思いながら目の前の薬を飲んだ
未完成の色も味がある
そう僕が言っているようだった
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