芥子色の北風 十/
信天翁
午前中まで鬱病だった空が
芥子色の北風に
引導をわたされたのか
裏庭のこずえを
誘拐して
近くで 戸惑う
人影をひきつれ
遠くでさまよう
とりかげを追いながら
午後となって躁病となった
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