同意した見返りに/noman
 
冷たい草の上を滑っていく夢から
覚め
ると
白い天井に規則
正しく描かれた水玉模様
が乱雑に
降り注いできた
過去はどんどん小さくなり
アスファルトを石で擦った跡も
今はもう見つからない

階段をできるだけゆっくりと
上り
固く閉じられたドアの隙間に滞留する
眠気に
触れる前に足を止める
もっと多くのものを
置いてきてもよかったのだろうかと思って
階段の上で振り返ると
緩んだ配線が垂れ下がっていて
見たことのある街の 午後が
向こうにあった
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