文学の社会的機能/
葉leaf
、人間が他人の実存を引き受ける臨床的な読書体験に快楽を感じるからであろう。そこで人間は共感などを通じて自らの実存を再確認する。文学は作者が己の実存を開放する舞台であるのみならず、その告白を読んだものの実存のフィールドも開く。読者は己の実存のフィールドの中に作者の物語を受け入れ、素顔の自分で文学を受容するのである。
文学の社会的な機能として、私はこのような臨床的空間の提供というものを重要なものとして挙げたいと思っている。
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