朝の雪/
葉leaf
何のために存在するのか
そんな問いを無効にするため雪は降る
世の不条理と人間の不条理との
遠い血縁を否定するため雪は降る
雪の冷たさは仮面の冷たさ
雪の素顔のうごめきは
辺りを加熱も冷却しない
透明な熱を放っている
電車の屋根に生えた苔のように
大地に着せられたテーブルクロスのように
電線の上の電飾のように
雪は自在に本質を変えていく
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