夜更けの紙相撲「かけがえのないもの」/そらの珊瑚
 
で絵を描くという選択肢は残されている。

 生きている自分、という、自分なりの答えのようなものにたどりつく。
 自分の命は自分でしか生きられない。他の誰にも変わってはもらえないし、他の誰かを生きることも出来ない、そうして命がなくなってしまえば、替え、はない。
 あたりまえのようだけど、かけがえのない、は、目に見えないから忘れがちだ。
 かけがえのないほど大切な命、たとえば自分以外の命だって、永遠ではない。

 永遠ではない世界の中で、また新しい年が始まる。答えだと思っていた地点から、ふたたび問いが始まる。

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