白は赤に/
木立 悟
灰に埋もれ
陽を見る火
森に斜めに沈む光を
鳥の群れは追ってゆく
振動が夜を包み
左脚ばかりを進ませる
夜は静かに
足跡に満ちる
ざらざらとした光のなかを
くりかえし波はやってくる
花のかたちが
手のひらに映る
軋む雪
四角い紙の ずれた重なり
とどろきを舐めるとどろき
その虹色の舌先
氷の錐の指たちが
雪の一枚一枚を刺し
滴は滴に降りそそぎ
手のひらに星となってゆく
見上げるたびに
空は咲き 空は散り
街は白に
白は赤に つづいてゆく
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