創世記/
青井
ゆりかごに横たわる
緑児の口元に
朝霧のように蟠る
言の葉の胎児たち
邪気の無いむずかりは
苛立ちか歯痒さか
未生の語彙が萌え出ようと
口蓋をくすぐっているのか
まだ意味を持つ前の
無垢な喃語の響きにも
この世界を象ろうとする
透明な意志が潜んでいる
いつかその喉の奥の暗がりから
滾々と言葉が溢れるとき
天地は別れて光が差すだろう
寿ぎのように 呪詛のように
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