まともな話をするやつは正面からやってくる/ホロウ・シカエルボク
のべつ幕なしぶちまけられる脳下垂体のジャミングに幻覚と幻聴のオンパレードだ、グラついた壁の下敷きになった二人の子供の話をだれかが耳元でずっと囁き続けている、それがどんなに酷く損傷していたか、どんなに酷い臭いだったか…ゴミ捨場で見つけた肉の破片がこびりついたフライパンの記憶、あれはもしや、あれはもしや…幻想が現実との境目を食い破ろうとする、下敷きになった子供なんて居なかった、少なくともここしばらくはそんなことは…おれは耳を貸さない、耳を貸すべきじゃない、耳にするべきじゃない―だけどおれのそんな拒絶なんて向こうにとっちゃお構いなしだ、それがいつ、どこで起こったか…その二人の子供の名前はなん
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