そのような 澄みきった真実/いねむり猫
が
私に 一気に与えられる なら
時刻表のないバス停で
行き先の書いていないバスを 待っている
小川を流れ下る 落ち葉のように
私たちは 蛇行する偶然と 流れの必然に
ただ 身を任せているしかない
いつか 自分の思考が 澄み渡る そんな瞬間が来たら
向こうから やってくるのは
きっと 一つの風景なのだ
なだらかな秋の丘陵に 夜明けの光が 運んでくる
色彩と 陰影と 小鳥たち
すみれ色から ゆっくり青へと変わる空と 風
黒く うずくまっていた
一つとして同じ色のない 森の木々の葉が
小さな身震いをする 朝
世界が すでにそうであるように
ただ その姿をそのまま見つめることができること
そのような澄み渡った思考が 私に訪れるとしたら
そのような 自分のあり方を
この 冬空の青に 刻印する
そのような 澄みきった真実
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